病棟医は患者さんとの会話の際、81%-92%が立ったまま話している。しかし、患者のベッドサイドでは座った方がよい。
Things We Do for No Reason™: Standing at the bedside(J Hosp Med. 2026
Feb 22. PMID: 41725162)の要約
① 座ると、患者とのコミュニケーションが改善する
座った医師に対して患者は、よく話を聞いてくれた、説明がわかりやすかったと評価する傾向がある。患者は「医師はよく話を聞いてくれた」(座る93%、立つ80%)、「説明が理解しやすかった」(座る89%、立つ76%)と評価する。
② 座っても時間は増えない
医師が座らない最大の理由は「忙しいから」である。しかし、研究では座る(12分00秒)、立つ(12分10秒)で差がなかった。つまり「座ると時間がかかる」は思い込みである。
③ 患者は「長く話してくれた」と感じる
実際の診察時間は同じでも、患者は座った医師の方が長く時間を使ってくれたと感じる。
④ 「急いでいる感じ」が減る
患者にとって立っている医師は、忙しそう、早く帰りたそうに見える。座ると、理解を確認してくれる、急いでいない、十分時間を使ってくれると評価される。
⑤Etiquette-based Medicine の実践
患者の部屋に入る時にノックする、自己紹介する、自分の役割を説明する、患者と目線を合わせる、患者の気持ちを聞くのは「礼儀ある医療」である。座ることはその象徴的な行動とされている。
⑥ 患者は医師に座ってほしい
患者アンケートでは座ってほしい(59%)、立っていてもよい(41%)だった。別研究でも座る(51%)、立つ(23%)、どちらでもよい(26%)と座る方が好まれた。
⑦ 椅子がないなら「しゃがむ」
病室に椅子がない場合は、しゃがむ、膝をつく などして、患者と目線を合わせることを推奨している。重要なことは座ることそのものではなく、目線の高さを合わせることである。
患者との信頼関係を築く3つのコツ
1. ベッドサイドでは座る
2. 患者と目線の高さを合わせる
3. 「忙しそうな医師」にならない