看護学生の皆さんは、「マイクロプラスチックの人体への影響」について聞いたことがありますか?若年男性の精子の減少や生殖機能の低下など、男性の女性化を起こしているのではないかと心配する声があります。
マイクロプラスチックの摂取を恐れて、ペットボトルやカップ麺、紅茶ティーバックが使えなくなるととても不便ですね。科学的に明らかになっていることをまとめます。
① マイクロプラスチックは人体内で検出される
マイクロプラスチックは胎盤、母乳、肝臓、鼻腔洗浄液などから検出されている。
② ヒトのエビデンスはまだ非常に少ない
ヒト研究はまだ非常に少ない。
③ 生殖機能への影響が最も心配
動物実験では精子数減少、精子運動率低下、精子形態異常、卵胞障害、性ホルモン異常が認められた。
④ 消化管は最前線の標的臓器
経口摂取が主な曝露経路。動物実験では腸粘膜障害、絨毛変化、粘液層減少、腸管炎症が認められた。慢性炎症と免疫抑制については比較的強い証拠あり。
⑤ 呼吸器への影響
吸入曝露モデルでは肺障害、肺機能低下、酸化ストレス、慢性炎症が認められた。タイヤ摩耗粉、衣類繊維、大気中粒子が重要な曝露源と考えられている。
⑥ 発がんとの関連は仮説段階
慢性炎症、酸化ストレス、細胞増殖異常、免疫抑制など、発がんに関わる生物学的変化が認められた。しかし、マイクロプラスチックが癌を増やすことを示したヒト研究はない。大腸癌や肺癌と関連?
⑦ 問題はプラスチック粒子だけではない
健康影響はマイクロプラスチックだけでなく、付着する環境汚染物質、フタル酸エステル、ビスフェノール類(BPAなど)によって生じている可能性あり。
結論
「マイクロプラスチックは消化器系・生殖器系・呼吸器系に有害であることが疑われるが、ヒトへの影響はまだ証明されていない」
高度加工食品を減らす、缶詰食品を減らす、ガラス容器を利用する、プラスチック容器での電子レンジ加熱を避けるといった生活習慣で曝露を減らせる可能性があります。
参考文献
- Effects of Microplastic Exposure on Human Digestive, Reproductive, and Respiratory Health: A Rapid Systematic Review ( Sci. Technol. 2024, 58, 22843−22864)要約
- Low-plastic diet and urinary levels of plastic-associated phthalates and bisphenols: the randomized controlled PERTH Trial (Nature Medicine. Volume 32 May 2026, 1871–1883)