読み出したら非常に面白くて、藤沼康樹先生の『「卓越したジェネラリスト診療」入門』を一気に読破しました。
「卓越したジェネラリスト」が解決すべき健康問題は、①未分化健康問題(一見何が問題なのかわからない状況)、②複雑困難事例(生物・心理・社会的な多次元にわたる問題)、③マルチモビディティ(多疾患併存)、④下降期慢性疾患とのことです。
それらを解決するための手法について、具体的に述べられています。自分で実行していることもありましたが、多くは全く意識していなかったです。目から鱗が落ちました。
「ほとんど医者にかかったことがないか、久しぶりに来院した中年以降の有症状の男性患者は重大疾患、特にがんの可能性が高い」
「診断エラーが生じやすい疾患のリストをもっておくこと」
「高齢者の生活機能が変化した際には、自覚されていない骨折を鑑別診断にあげる」
などパールも満載です。
新たな時代を肯定的に生き抜くための、ベテラン医師へのアドバイスが心にしみました。装丁が美しく、掲載されているたくさんのモノクロ写真も素敵です。